県立須坂病院の独立行政法人化は県の繰入金を減らすのが目的?独法人化 を考えるシンポ

掲載日:2009年2月15日

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須坂市で須坂病院の独立法人化を考えるシンポジウムがありました。
最近発行された長野県住民と自治研究所の研究書便りに私は県立病院の独法化について意見を書きました。それを確認する意味もあって、聞きに出かけました。

最初に基調講演では、元長野大学教授で、上田市矢嶋診療所長の矢嶋嶺医師が「公立病院が果たしてきた役割と課題」について、次のように話されました。
長野県の県立5病院はバラエティーに富んだ病院だ。民間系医療労働者と公立病院の医療労働者はどちらも、目の前の患者に対して誠実に相対しているのは変わりない。
公立病院は、**ををせねばならぬという建前がある。自治体の病院はその自治体の不特定多数の住民の健康の責任を一切負うという義務がある。それが、重大な役割だ。
黒字にしないと自治体から文句がでる。一生懸命やってくれていてもも、赤字ならしょうがないじゃないか、一生懸命やってくれていることが、そこの地域住民との信頼関係になる。それがないと、今の医療はやっていかれないと思う。
また、1次医療を休日などにも行っている医療機関が地域にない場合は、公立病院はそれをやる必要がある。しかし、夜間診療を安易に利用する住民が多いと、疲弊しきった医師がやめてしまうのが、医療崩壊の原因になっている。2次医療の問題は、ベッドがなくて患者を受け入れることができない問題がある。これを県立病院が引き受けてくれる体制を担ってくれると、大変助かる。
須坂病院は、1次医療から2次医療、3次医療もでき、北信地域のほかの特色ある病院の中核的な役目を担ってくれている。
また、県立病院は医療から介護までも責任を持つ必要がある。木曽病院などほかの県立病院も県民や地域の付託に答えてくれてる。
更に、不採算医療について、市場原理化した構造改革の論理を当てはめてはいけない。基本的に、経営の合理化が独立法人化のねらいだ。
メタボをなくせなどというような意味のないことではなく、意味のある健康管理を行うこと、また、私的医療機関に任せると本当のことはいわない中で、自由で正しい医療知識を普及することも、県立病院の役目だ。
あの病院に行けば何とかなるという幻想を住民に抱かせるのではなく、治らないものは治らないが、その代わり苦しみは徹底して取るというふうにすべきだ。
地域住民がバックアップすれば、どうにかなる。是非病院をもり立てて欲しい!

とてもユニークな、おもしろい語り口の矢嶋先生でした。

次にシンポジウムで、矢嶋医師が司会、長野県病院事業局次長と、須坂市長、全医労東長野病院支部書記長がパネラーで報告しました。
いままでの形態のままではなぜいけないのか?など様々な疑問があります。まず、県立病院の地方独立法人化への移行について、病院事業局長が話しました。
次長によれば、5病院の担う役割については、県内6箇所でやったこれまでの説明会場より気持ち丁寧に説明していたような気もしますが、殆ど内容は同じ。要は、病院改革をしたくても現在のままでは自由度がなく困難ということ。独法化しても県からの支援は変わらず、責任を取るシステムも確立され透明性も向上する、色々なことがやりやすくなり、レベルがあがると。

矢嶋医師は、今の次長の話は、病院の黒字化には触れていなかったと感想を言いました。

続けて地元の三木須坂市長が考えを話されました。須坂病院は産科医の退職で産科の休止を余儀なくされていたが、最近県の努力により、産科医が確保できた。また、須坂病院は、県立中央病院的役割を担っている。しかし、今の病院は自由度がない。また、公務員は横並びでやるので改善しにくい。知事は「経営ありきではなく、医療機能の向上、県民に医療サービスを提供するための独法化」と言っている。市長としては、「生き残るのは変化できる者だ」という、オバマ大統領の言葉を借りて、独法化に賛成と話した。

矢嶋医師からは、市長はもう少しよく考えてほしいという趣旨の感想がありました。

最後に独立行政法人化した東長野病院の実体を、病院職員のOさんから報告がありました。
独法化前段階として、同じ労働をしてきた賃金職員が解雇され非常勤職員に、院内保育所職員はピジョン職員になり大幅な給与引き下げになった。
独法化後は、総人件費の削減という目標のため、管理職の格下げ、職員削減、それによる労働過密と医療事故不安や、業績評価制度導入による賃金抑制で、チーム医療が崩壊し、職員の働く意欲が低下し、医師や看護師の離脱が増大した。
これらの結果、公的責任が曖昧になり、採算を優先した経営優先されるようになったと言える。
この影響は患者の負担にも現れている。差額ベッド代の値上げなど患者負担の増大、病床利用率をアップするために3ヶ月以内の退院による患者の不安増大、東長野病院の政策医療である重症心身障がい者病棟の運営が大変になり、利用者家族の負担増。
再生プランを達成しないと病院廃止というプレッシャーがいつもあり、多くの困難を抱えているが、職員は一生懸命病院を守ろうとしているという話だった。

矢嶋医師からは、嘘がなく一生懸命やっている様子がよくわかったという感想がありました。

質問タイムには、永井県議から独法化についてのアンケート調査の結果が報告されました。748人配り、有効回答数は349、結果は、県の説明が不十分と感じている人が90%もいたり、時期尚早であるというという意見が64、2%、独法化を望むかいという回答は10、6%にすぎなかったと。

質問と回答は、以下の通り。

質問:制約の基は、国の医療制度にあると思うが、それには触れていない。競争力を高めることには疑問がある。なぜ急ぐのか。
回答:医師不足などの問題は国の医療制度の問題だと思う。国には要望をあげている。形態を変える国の制度が示されたので、その中でベターを選んだ。競争力はよその病院と競争させようという意味ではなく誤解があるなら謝る。今の状況の中で、できるだけ早く進めたい。

質問:天下り先に独立法人が多いと新聞にあった。国からの天下りがあるのか。方針の決定をした後の説明会だが、なぜ決定する前に、住民意見を聞かなかったのか。最近ほかの病院で職員の処遇が悪くなったためか救急患者の受け入れの応対が悪くなり、須坂病院に受け入れてもらうことが多いが、独法化され、職員のモチベーションが下がらぬようにしてもらえるか。
回答:具体的目標は独法化後に地域住民に聞いていく。職員身分や待遇は、法の下に守られる。

質問:経営者として責任を持って運営が、天下りポストの人ではできないのではないか。岩手県は独法化を見送った。理由は。現状制度の中でも、リース契約などで機器の購入などは可能、しかし、公務員でなくなるために給与制度の引継が上手くいかなければ、経営効率はあがらないという理由などだ。
答え:経営陣も必要な人材を確保する。岩手県の事情は知らなかったが、確か岩手県は厚生連などの民間病院がほとんどないため県立病院がたくさんあるからではないか。

私も質問用紙に書いてみました。
質問:現在と一般会計負担金の基準も同じ、公的機能を維持するための財源はきちんと確保するとの説明だが、本当に県からの繰り入れ金は変わらないのか。
答え:必要な金は目標や計画があってやっていく中でちゃんと確保する。

私はこの次長の答えに納得せず、手を挙げて聞いてみました。県議会で聞いてもよかったのですが、須坂市民に知ってもらいたくて、敢えて聞いてみたのです。
質問:次長は金はちゃんと確保すると答えたが、平成19年春に出された長野県病院健全化計画には、繰入金を向こう5年間で5つの県立病院で合わせて2億5300万円削減すると書かれている。須坂病院は8000万円以上削減とある。この削減計画と、次長の答えの整合性は?計画には、削減のためには、人件費の削減や独法化などの検討が必要と書かれている。次長は、この計画のことは全く説明しなかったが、なぜか。
答え:健全化計画をつくったときは直接携わっていない。独法化すれば、計画は見直される。

はあ〜、全く、ああいえば上祐です!携わっていなかったとは、まるで、麻生総理大臣状態、、、
終わってから、須坂の記者から、「次長は何で言わなかったんでしょうねえ。削減が目的か、そこが一番知りたいところなのにねえ」と、話しかけられました。

須坂病院の看護師さんから、
次長からは「須坂病院は医師や看護師の養成を行い、阿南や木曽などに供給する役目を担う病院にしたいと考えている」という話があったが、これまでも、3年、4年と木曽や阿南に単身赴任してきたが、公務員だからと思い耐えてきた。独法化され公務員でなくなったら、木曽や阿南に回されることになっても、それに耐える意味がないという意見がありました。
ほ〜んとだ、やめて、須坂や近隣の通える病院に移ればよいだけです。

最後に、矢嶋医師が、「国が国民の健康の責任を捨てた結果、県に押しつけ、アウトソーシングや法人にせよと言ってきているということ。医療民営化の国の方針に対して闘う姿勢がなければ、県の医療は後退する。病院(独法化されれば法人)のトップ、住民の協力、県のリーダシップの熱心さで決まることだ」とまとめられました。

村井県政には、国に対して闘う姿勢はありません。ここでアウトソーシングすれば、県も県民の健康の責任を捨てたと同じです。

しかし、須坂市長のノー天気なこと。。。元県職員で地方事務所長などをやった人だからやむを得ないかもしれませんが、須坂病院の繰入金が減らされるということは、須高地区に投資される県のお金が減らされるということです。私は松本だから、大きなお世話かしら?でも、こども病院は1億円カットする計画。次長の言う通り、本当にこの削減計画は見直すつもりなのでしょうか?それならば、独法化のメリットとして、真っ先に次長は胸を張って説明すればいいのに、説明がなかったのはなぜ?携わっていなかったから知らなかったというわけでもないでしょうに。県のHPに載っているから私も気づいたのですよ〜。

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