麻生首相による、新たな太陽光発電買取制度は、本物か?
掲載日:2009年6月27日
須坂市で、長野ソフトエネルギー資料室が主催して、「太陽光電力の固定買取りとグリーン電力証書」〜日本の制度・諸外国の制度の現状と課題〜というテーマで公開学習回がありました。
市民エネルギー研究所の大東断氏が、経済省の新たな「日本型」太陽光発電買取制度はヨーロッパとは違ったごまかしだーー太陽光発電など分散型システムの大規模導入への新たな妨害という話をされました。
日本ではRPS法のもと、CO2の排出削減量を2020年で今の努力を継続した場合、プラス8%、最大限の導入でマイナス3%、2030年度までで今の努力でプラス7%、最大限導入でマイナス15%としていたが、最大限の導入を目指すとして、福田前総理の時に、太陽光発電を2020年で10倍、30年で40倍にするという方針が出された。
しかし、一方で固定買い取り制度の話はなかった。
ところが、今年2月24日に二階堂経済産業大臣が、新たな買い取り制度を導入するという、電力業界も驚く唐突な方針転換を発表した。
これがでてきた理由は、日本の再生可能エネルギーの導入が停滞していたことにある。
風力は世界が1億2000万kw導入されているのに対して、日本では、200万kw、太陽光が世界1500万kw、日本が23万kwにすぎない。
これは、太陽光パネルの設置補助金制度が2005年になくなったことで、太陽光発電産業がダメになるとして、もり立てるため、今回、高値買い取り制度を打ち出したもの。
日本では、EUで進めてきた、フィードインタリフ制度を進めようとしてこなかった。この制度は、再生可能エネルギーの長期の固定価格買い取り制度で、しっかりした長期予想を立てて制度を導入し、そのおかげで、再生可能エネルギーの普及が進んだ。しかし、日本は、余剰電力に限定し、再生可能エネルギーには払いたくないとしたため、風力も太陽光発電も進まなかったのが実状。
今回の麻生自民党提案による、日本のフィードインタリフ制度は、制度の条件を満たしていないのに、住宅用余剰電力の太陽光発電のみ倍額、10年の買い取り、電力料金での費用負担という日本型フィードインタリフを導入しようとしているにすぎない。
ドイツの電気料金は、発電・送電・配電のほかに上乗せ分として電気税や消費税のほかにフィードインタリフとコジェネ分などがある。
日本では、エネルギー政策の法がCO2削減や温暖化防止にふれておらず、原子力に大きく頼るものになっているため、再生可能エネルギーへの取り組みがおろそかになっている。原子力を2020年までに45%、50年に62%とするとしているのが、日本のシュミレーション。
ドイツでは2022年に原子力はナシにするというのが、現政権の方針である。
世界の状況に追い込まれ、嫌々ながらやっているのが、日本の現状である。
次に、太陽光発電電力の適正な環境価値は?太陽光発電の固定価格買い取り(フィードインタリフーーFIT)について、安藤多恵子氏がはなされた。
日本の再生可能エネルギーの現状は、新エネルギー、非化石エネルギー、エコエネルギー、自然エネルギーなど用語が入り乱れ、範疇はいろいろ、よって政策もバラバラ、国のみならず、自治体によって施策もバラバラ。
太陽電池生産は、08年に世界4位に。活路を海外に求めるメーカー、しかし、国内市場の形成なくしては、海外せいにますます引き離されるばかりだ。
世界各国は、未来を見据えたエネルギー政策や、経済政策、制度をつくるために再生可能エネルギーや太陽光を発電を増やそうとし、買い取り価格も長期を見通した価格制度を考え、かつ、太陽光に限らず、小水力、風力、バイオます、地熱などにもFITを導入しているが、日本では、全量固定買い取り制を拒むためにFITを限定的に導入しようとしているにすぎないのではないか。
再生可能エネルギー法を作り、全量買い取り制度にし、持続可能な分散型エネルギーにしていく必要がある。
市民エネルギー資料室では、再生可能エネルギーとしては、太陽光、風力発電、小水力発電、太陽熱、非食料バイオ、都会の廃棄物を考えていて、深いところから取り出すが浅いところにした返せない地熱や、食料起源のバイオなどは考えていない。
会場では、原子力発電所の増設が必要になるリニア中央新幹線計画を考える学習会を企画しているリニア・市民ネット長野のみなさんも参加され、7月25日に松本で開く学習会について、紹介した。
後半は、ソフトエネルギー資料室代表の三輪浩さんが、実際に太陽光パネルをつけた家の、今後の設置コストの回見込み期間を、計算して示された。
2010年から価格2倍で危険10年の余剰電力の買い取り、自家消費分をグリーン電力化すれば、これまでと比べて27年が19年に、29年が20年に、37年が27年にというように、回収期間は短くなる。
更に発電全量買い取りになれば、自由化が進み、環境価値を更に高く売れるようになり、回収期間は短くなると、話された。
グリーン電力証書は、太陽光発電のCO2削減の環境価値を具体的に評価するために、グリーン証書を購入した自治体や企業の環境貢献を評価する仕組みで、松本市は購入を決めた。
本気で再生可能エネルギーをすすめようとする人が日本の政府の中にはいない。
日本が本気で再生可能エネルギー政策に転換するには、ドイツの緑の党のような政党が政権を執るしかないのかもしれない。
